織物の歴史と仕組みを学ぶなら ~織物参考館“紫(ゆかり)”さん①~
生きた織物の歴史と仕組みを、体験しながら学べる「織物参考館・紫(ゆかり)」さん。
『生地は経糸と緯糸が交差してできている』ってわかっていても
本当の仕組みってご存知ですか?
紫さんでは、まず最初に、紀元前560頃に使われていた“おもり機”から織機を説明してくださいます。
これを見て説明を聞くと、本当のホントの織の基本がよーくわかります!
たくさんの織機を歴史を追って見られますが、これが基本。
初めて聞く方は、目からうろこのお話かもしれませんね。
5世紀頃、中国から伝わってきた織機から、
おしゃれになったり、輸出が盛んになったり
時代や用途の変化に応じて織機も変わっていく。
その流れも一つ一つ説明してくださいます。
紫さんには、元々ある織機や、集められたり再現された織機が10機(私が見た限り)あり、糸を可撚する八丁撚糸機など、織に関する展示物も多数展示されています。
それから、
機織りは、準備からの工程が完全分業制であることも興味深いのです。
糸を染める人はもちろん。
糸をセットする人。
デザイン画を元に、紋紙に穴をあける人。
織機によっては、織機に上って絵柄になるように糸を動かす人。
これは一部ですが、知れば知るほどその工程に驚きます。
織機の細かい仕組みや歴史を見聞きして織体験をすると
自分が織った部分がいとおしい(笑)
数分トントンと織っただけでは1センチくらいにしかならないんです。
いろんな人の手がかかり、長い時間をかけてセットされた織機を織らせていただく感動。
文化財指定を受けたのこぎり屋根の建物の中で、
織を知り、当時の雰囲気を体感できる貴重な会館です。